気体、あるいは液体中の放電ギャップの間に絶縁体(誘電体)が存在する場合、コロナ放電あるいは火花放電では絶縁物の表面に沿って樹枝状の放電路が形成される。この様な放電を沿面放電と呼ぶ。沿面放電による火花放電の場合、絶縁体表面の変質を伴わないものをフラッシオーバ、伴うものをトラッキングと呼び区別している。
絶縁体表面に樹脂・鉛丹粉末を附着させコロナ放電を起こさせると放電路の形状を記録することが出来る。これを粉末図形と呼ぶ。また、絶縁体表面に感光乳剤あるいは写真乾板を載せることでも記録できる。この場合の記録図形をリヒテンベルグ像と呼ぶ。リヒテンベルグ像のうちコロナ放電によるものをクリドノグラフと言い、記録図形は電極に印加された電圧にのみ依存するため、雷等予測不可能な異常電圧を簡易に記録する方法として利用されている。